コンサート・レポート '09
 

 

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bulletハイドンイヤーの国際ハイドンターゲ (2009年9月9日〜27日、アイゼンシュタット)New
bulletフィッシャーさんとザルツブルグ音楽祭2009 (2009年8月23日、ザルツブルグ)New
bulletブダペスト・ワーグナーの日2009(2009年6月11日〜28日、ブダペスト)
bulletフィッシャーさんとハイドンフィルのハイドン没後200年公演 (2009年5月31日、アイゼンシュタット、フェルトード)
bulletブダペストでのヘンデルのオペラ「セルセ」(2009年4月30日、ブタペスト)
bulletハンガリー国立歌劇場の「哲学者の魂」 (2009年3月28日、ブタペスト)
bullet記念作曲家のオペラ新制作−チューリッヒの「報いられた誠」(2009年3月1日、チューリッヒ)
bulletコペンハーゲンのクラシックの殿堂、オープニングコンサート(2009年1月18日、コペンハーゲン)
bulletブダペストのニューイヤーコンサート2009(2009年年1月1日、ブダペスト)

ハイドンイヤーの国際ハイドンターゲ

2009年はハイトンのメモリアルイヤーなので、恒例のハイドンターゲも2週間半に延長されました。今年のテーマは「ハイドン、ロンドンとパリ」で有名オーケストラや室内アンサンブルが招かれ、ハイドンの ロンドン交響曲とパリ交響曲全曲を演奏しました。

開幕の9月9日はフィッシャーさんのの60歳の誕生日でした。アントン・ツァイリンガー教授の「ヨーゼフ・ハイドンの実験と彼の実験室」というタイトルの講演のあと、ハイドンフィルは交響曲45番「告別」と94番「驚愕」を演奏しました。

今年はハイドンフィルは客演指揮者を招聘しました。古楽の専門家ジョルディ・サヴァールは9月12日にハイドンの交響曲76番77番78番を指揮し、この演奏会はオーストリア放送によりラジオで放送されました。ハイドンフィルはサヴァールの音楽を表現するよう努力していましたが、所々フィッシャー流のハイドンが顔を出すところもありました。

9月22日には再びフィッシャーさんはの指揮でハイドンフィルは交響曲81番、ヴィオッティのヴァイオリン協奏曲22番と「軍隊」を演奏しました。 今年も例年通りハイドンフィルの日曜日の最終マチネーにより音楽祭は幕を閉じました。

9月27日はハンガリー国立歌劇場のオープニング125周年の記念行事がブダペストであったため、今年のマチネー公演は1回だけでした。 オープニングの交響曲75番に続いて、ハイドンフィルはハンガリーの若手トランペット奏者、ガボー・バルドツキーを迎えてハイドンのトランペット協奏曲を演奏しました。ハイドンのトランペット協奏曲はジャズの演奏家も取り上げるほどのヒットですが、ボルドツキーは高度なテクニックを拾うし、大喝采を誘いました。 休憩の後はハイドンの最後の交響曲と、例年通り「告別」のアダージョを演奏し音楽祭は終了しました。

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フィッシャーさんとザルツブルグ音楽祭2009

ザルツブルグ音楽祭の「コジ・ファン・トゥッテ」ザルツブルグ音楽祭はヨーロッパでも最大級の音楽祭で、オペラ、クラシックのコンサートのみならず、演劇も含めた舞台芸術の総合フェスティバルです。7月末から8月末の期間中には世界中から観光客が集まり、トップレベルの芸術を楽しみます。

フィッシャーさんはザルツブルグ音楽祭では05年にフェストシュピールハウスの大ホールで「コジ・ファン・トゥッテ」のリバイバル、06年にマンハイム国立劇場の「アルバのアスカニオ」の客演指揮を担当していますが、今年は新制作の「コジ・ファン・トゥッテ」を指揮しました。 このプロダクションは演出家クラウス・グートによるダ・ポンテ三部作の最後として制作されました。

グートは06年の「フィガロの結婚」ではキューピッドを登場さ せ、昨年の「ドン・ジョバンニ」は全編を暗い森の中の幻想として表現しました。「コジ・ファン・トゥッテ」は過去のコンセプトを拡張し、現代風の物語を描き出しました。 舞台は豪華なデザイナー・マンション。白い壁や階段などはフィガロの舞台を思い起こさせますが、外の庭には木が繁り、ドン・ジョバンニの欲望の森に続いています。第2幕では森がリビングルームの中まで侵食してきます。

この演出で最も印象的な役はドン・アルフォンソです。原作の設定では若者たちに人生の現実を諭す哲学者ですが、このプロダクションではボー・スコーフスのドン・アルフォンソは悪魔的で、フィガロのキューピッドとは対極の存在です。一方、パトリシア・ペティボンの歌うデスピーナはお客さんに大好評でした。まるでティーンエイジャーのようにロックを聴きながら仕事をする姿は大うけでした。 ソプラノ、ミア・パーソンは美しい声で悩めるフィオルデリージを歌い、フローリアン・ボッシュの歌うギジェルモはとてもロマンチックでした。これに対しイザベラ・レオナードとトピ・レーテイピュは平均的な出来でした。

最近のモーツァルト演奏は、アーノンクールの様に過激な解釈を期待する人もいますが、フィッシャーさん指揮のウイーンフィルはスタンダードで安定した演奏でしたが、フィッシャーさん自身も認めるようにやや受身になり勝ちで、どちらかといえばフィッシャー流よりはウイーンフィルの解釈が優先された部分もありました。

「コジ・ファン・トゥッテ」のシリーズの間も、フィッシャーさんは若手音楽家との共演で休む暇はありません。アッターゼー・インスティテュートはウイーンスタイルを若手に伝えるために1991年に創立され楽団ですが、音楽を学ぶ学生が世界中からアッターガウの村に集まり、ウイーンフィルのメンバーからレッスンを受けます。フィッシャーさんは8月23日の演奏会でこの若いオーケストラを指揮しました。

前半はハイドンで、後期謡曲97番とミッシャ・マイスキーをソロに迎えたチェロ協奏曲第1番でした。交響曲はハイドンフィルの演奏とは異なりましたが、学生たちはウィーン風の演奏を懸命に再現していました。ヴィルトゾーオのマイスキーの登場でチェロ協奏曲は大成功で、嵐のような拍手を呼び起こしました。フィッシャーさんとマイスキーは11月に韓国でも共演します。

後半はマリン・ハルテリウスを迎えたマーラーの交響曲第4番が演奏されました。オーケストラのメンバーはレッスンやリハーサルを通してウィーン風の演奏を学びます。しかし第2楽章のホルン、オーボエ、ファゴットのソロなど、さすがに各自のソロでは各自のスタイルが出て、それぞれの楽器がアンバランスな印象になる部分はありました。僅か数週間のセミナーでウイーンフィルのような音が出せるはずはありませんが、学生たちには良い経験となったことでしょう。

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ブダペスト・ワーグナーの日2009

リンダ・ワトソン、アダム・フィッシャーとワルトラルト・マイヤーフィッシャーさんは6月1日の2度目の「天地創造」演奏会の直後にブダペストに取って返し、ブダペスト・ワーグナーの日のリハーサルに取り掛かりました。今年は4日間の「ニーベルングの指環」2サイクルに加えて、「パルジファル」を2回再演し、昨年同様世界中からワーグナー愛好家をドナウ河畔の芸術宮殿に集めました。

今年は新制作はありませんでしたが、主役級に初登場の歌手がたくさんいました。女声陣ではダブルキャストのジークリンデ役はクリスチーネ・イーヴェンとワルトラルト・マイヤーが担当し、今年のバイロイトのイゾルデ、イレーネ・テオリンが「ジークフリート」のブリュンヒルデを歌いました。男声はデンマークのバリトンでコペンハーゲンでも同じ役を歌っているヨハン・ロイターが「ラインの黄金」のウォータンとさまよい人を歌い、「ジークフリート」のタイトル・ロールはウイーンや東京でも同役で知られるイギリス人テノール、ジョン・トレレーベンが演じました。ウイーンの「神々の黄昏」のハーゲンで大成功だったエリック・E・ハルフヴァーソンが同役と「パルジファル」のグルネマンツでロールデビューを飾りました。またグラーツ生まれのテノール、ニコライ・シュコフがパルシファル役を担当しました。

デビューだけでなく常連も素晴らしい出来でした。クリスチャン・フランツはローゲ、ジークムント、「黄昏」のジークフリートと重要な役3つを兼ねた大活躍です。彼のジークムントにマイヤーのジークリンデ、ワルター・フィンクのフンディングによる「ワルキューレ」第一幕は滅多に観られないほど完璧な出来でした。また、リンダ・ワトソンも力強いブリュンヒルデを歌い上げ、炎に飛び込むラストシーンに感動した客席には、長い静寂の後割れるような拍手巻き起こりました。

来年は指環1サイクルと、クリスチャン・フランツ主演の「トリスタンとイゾルデ」が予定されています。

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フィッシャーさんとハイドンフィルのハイドン没後200年公演

没後200年の「天地創造」フランツ・ヨーゼフ・ハイドンは弦楽四重奏の先駆者で交響曲の父としても知られています。モーツァルト自身も尊敬していたことが書簡などで明らかにされていますが、現在のクラシック音楽産業ではハイドンはモーツァルトほど親しまれているとは言えません。しかしついにハイドンの200回目の命日がやってきました。ハイドンに所縁の深いアイゼンシュタット市とブルゲンランド州は、この日のために何年も前から準備を重ねてきました。命日の前後にはハイドンザールで小さな音楽祭が企画され、フィッシャーさんとハイドンフィルはその中心的役割を担いました。

5月31日の演奏会はまるでウイーンのニューイヤーコンサートのような華やかさでした。チケットは早々と売り切れで、200名以上がキャンセル待ちという状況です。オーストリアの連邦大統領、ハインツ・フィッシャーらのVIPも多数参列し、アダム・フィッシャーさん指揮のハイドンフィルによるハイドンの傑作「天地創造」に耳を傾けました。

世界のトップレベルのソリストがこの演奏会に共演しました。ソプラノのアネット・ダッシュはこの作品は初めてで、どちらかといえばオラトリオよりもオペラのスタイルでしたが、とても美しく歌い上げました。ドイツ人テノール、クリストフ・ストレールは地味ながらハイドンの演奏者としての実力を発揮、スター・バスバリトンのトーマス・クァストホフはもちろん素晴らしい歌唱でした。ウイーン室内合唱団も迫力のある合唱で演奏を盛り上げました。 フィッシャーさん指揮のオーストリア・ハンガリー・ハイドンフィルハーモニーの奏でる生き生きとした音楽は、トップレベルの演奏として記録されるのにふさわしい演奏でした。

終演後は嵐のような大拍手が続き、素晴らしい演奏とハイドンの没後200年を讃えました。この演奏会はオーストリア放送により生中継され、DVDの発売も予定されています。 アイゼンシュタットだけでなく、フェルトードにあるエステルハーザ城もハイドンにとって同様に重要な場所です。国境のハンガリー側でもこの日には大きなイベントがありました。フィッシャーさんとハイドンフィルも「天地創造」の後に招かれて、演奏会を開きました。

 エステルハーザのホールは小さいため、オーケストラは大幅に縮小された編成でした。プログラムはハイドンの交響曲49番、カンタータ「ツェーナ・ディ・ベレニチェ」(ソロ、アンドレア・メラート)、交響曲45番「告別」の3曲です。 アイゼンシュタットの城と異なり、ハンガリーのエステルハーザ城は共産主義の時代に国有化され、現在はエステルハーツィー家の持ち物ではありません。しかし現在の当主アントン2世はこの演奏会に特別に招かれ、最前列の特等席に座っていました。オーケストラが一人一人立ち去り最後に誰もいなくなると、驚いたふりをして立ち上がり、先祖の古事を再現していました。 演奏会の後はステルハーツィー公主催のレセプションが開かれ、庭では花火が打ち上げられました。この演奏会もハンガリー放送により中継されました。

1日にテレビ中継された二つの演奏会をこなすという、オーケストラ関係者にとっては忙しいハイドン200回目の命日でした。

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ブダペストでのヘンデルのオペラ「セルセ」

フィッシャーさんのブダペストでの今シーズン最後のプレミアはヘンデルの「セルセ」でした。過去に古典派のオペラをたくさん指揮しているフィッシャーさんにとっても、バロック・オペラはこれが初めてです。

残念なことに風邪のため重要なリハーサルに参加できなかったので、ペーター・オーバーフランクに指揮を任せ、第2チェンバロとしてのブレミア参加となりました。 「セルセ」は紀元前のベルシャ王の物語ですが、ここでは現在の中東として描かれています。現在の若者の文化とバロック音楽の意外な組み合わせは、ストーリーにも奇妙にマッチし、保守的なハンガリーの聴衆も現代演出のバロックオペラに大喝采でした。

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ハンガリー国立歌劇場の「哲学者の魂

古楽器について説明するフィッシャーさんチューリッヒのプレミアのすぐ後には、ハンガリー国立歌劇場で「哲学者の魂」のリハーサルが始まりました。フィッシャーさんはハイドンの最後のオペラを自身の劇場で制作しました。ハイドンのオペラの殆どはエステルハーザ宮の小さなオペラ劇場のために書かれましたが、この作品はロンドンの大きなオペラ座での上演を想定しています。他の作品に比べるとオーケストラのスケールも大きく、ドラマチックな合唱が入っています。

演出家シャンドール・ジョーターはオルフェウスと絵売りディーチェの物語を抽象的な世界に描きだしました。舞台の上には二つの大きな建造物が動き回ります。一つは海辺の小さな小屋、もう一つは廃墟の橋を連想されます。カロンの船を待つ魂たちは、忘れ河のほとりで釣りをしたりボール遊びをして時を過ごしますが、残念ながら説得力のある演出とは言えず、不明瞭で聴衆を混乱させる結果となりました。

 一方音楽的には素晴らしい公演でした。国際的に活躍するハンガリー人ソプラノ、アンドレア・ロストがエウリディーチェを歌いましたが、コロラトゥーラでは多少難点があったものの、死のシーンはとても美しく涙を誘いました。アメリカ人テノールのケネット・ターヴァーはオルフェオの感情を良く表現し、とりわけエウリディーチェを失った後のアリアは感動的でした。ハンガリーの若いソプラノ、ユーリア・ハイノーチはコミカルなコスチュームと演技で精霊ゲニオを歌い、注目を浴びました。

チューリッヒ・オペラのアイディアに基づいて、ここでもフィッシャーさんはホルン、トランペット、トロンボーン、ティンパニに18世紀のオリジナル楽器を用い、ビブラートを抑えた現代弦楽器と合わせて演奏しました。このスタイルはマンハイムやチューリッヒでは馴染みかあっても、ブダベストでは初めてです。慣れない楽器に苦労している面も見受けられましたが、今後はハンガリー国立歌劇場でも定着していくことでしょう。

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記念作曲家のオペラ新制作−チューリッヒの「報いられた誠」

司祭メリベオ(カルロス・シャウソン)とクマの村人たち今年はハイドンの没後200年と共に、ヘンデルの没後250年でもあります。両者共にたくさんのオペラ作品を残したものの、現在のオペラ座のレパートリーとして頻繁に上演されるものはありません。しかし彼らが二流のオペラ作曲家というわけではありません。メモリアル・イヤーは普段は聴く機会の少ない作品に接する良い機会です。今年は世界各地の劇場がハイドンとヘンデルのオペラを制作しますが、フィッシャーさんも3月から4月にかけて新制作を指揮しました。

3月1日はチューリッヒ・オペラの「報いられた誠」のプレミアでした。アイゼンシュタットは過去にハイドンのオペラを殆ど制作していますが、この作品は外部団体の客演だったのでフィッシャーさんにとっても初めての新制作です。 物語は女神ディアナに仕える司祭メリベオが支配する架空の村クマが舞台です。

この村では誠実なカップルはディアナの生贄にされてしまいます。演出家のイェンス・ダニエル・ヘルツォグは1970年代のフラワー・ムーブメント時代に設定し、ピンクの服を着たヒッピーの村での物語りに仕上げました。彼らはロックのリズムの代わりに18世紀の美しい音楽を奏でます。70年代の描写がとても正確で、当時青春時代をすごした聴衆はこのアイディアを好意的に受け止めました。

もちろん音楽が物語の中心です。チェコ出身のソプラノ、マリーナ・ヤンコーヴァは美しいチェリアを歌い、かたやエヴァ・メイは嫉妬深いアマランタを歌と演技で表現しました。モーツァルト・テノールとして活躍しているクリストフ・ストレールとハヴィエル・カマレーナはハイドンでも通用することを証明しました。その他、カルロス・シャウソン、クリスティーネ・コール、ガブリエル・ベルムデスなどトップレベルのアンサンブルでした。

ハイドン専門家のフィッシャーさんとチューリッヒオペラ・オーケストラは、18世紀のオリジナルの金管楽器を使った活発な演奏で、ハイドンがモーツァルトに劣らないオペラ作曲家であることを証明しました。

興味深い演出、トップレベルの歌手、さらにダイナミックなオーケストラとチューリッヒの実力を示す素晴らしい上演でした。

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コペンハーゲンのクラシックの殿堂、オープニングコンサート

フィッシャーさんがデンマーク・ラジオ・シンフォニエッタの首席指揮者に就任してから、今年で10年を迎えます。この間オーケストラの本拠地は音響的にはあまり良いとはいえませんでした。しかしデンマーク放送は新しいホールを建設し、招待客向けのガラ・コンサートに続いてフィッシャーさん指揮のデンマーク・ラジオ・シンフォニエッタが1月18日に一般へのオープニング公演を飾りました。

プログラムはモーツァルトの戴冠ミサ曲とジュピター交響曲です。オーケストラは長い信頼関係で培われた技術で、フィッシャーさんのアイディアを精一杯実現する熱演でした。切れ味鋭く活発なモーツァルトに人々は大満足で、演奏が終わると同時に立ち上がり、1800人を超える満員聴衆のスタンディング・オペーションとなりました。

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ブダペストのニューイヤー・コンサート2009

ボリスと彼のトレーナー

ウイーンとは異なり、ブダペストには元旦にコンサートを開く習慣はありません。しかし昨年からフィッシャーさんは芸術宮殿で、新年にハイドンの「天地創造」を演奏するプロジェクトをはじめました。昨年のハイドンフィルに続いて、今年はロンドンフィルとロンドンフィル合唱団を指揮し、シモーナ・サトゥローヴァ、ベルンハルト・リヒター、ネイサン・ベルグがソロを務めました。大型のロンドンフィルの演奏はハイドンフィルとは異なる解釈で、ハイドンに馴染みが薄いような印象もありましたが、満員の聴衆はレベルの高い演奏に大満足でした。

「天地創造」に先立ち、アダム・フィッシャーとハンガリー放送交響楽団は子供のための新年演奏会を開きました。今年のプログラムはハイドンの「驚愕」からの抜粋と、バルトーク音楽院の生徒が共演した「玩具の交響曲」、レオポルド・モーツァルトの交響曲「狩」でした。

交響曲「狩」はフィッシャーさんのお気に入りの曲です。勇壮なホルンソロで始まるこの曲は狩の情景をダイナミックに表現した作品ですが、父モーツァルトはそれに加えて犬の鳴き声を入れるように指示しました。そうは言ってもソリストとして通用する犬など滅多にいません。フィッシャーさんはついにオーケストラに合わせて鳴ける賢い犬ボリスを見つけました。ボリス自身よりは彼のトレーナーの方がはるかに緊張しているようでしたが、フィッシャーさんの指示に従って期待通りに大きな声で吼えていました。客席の子供たちはボリスの熱演にとりわけ熱狂していました。

来年の芸術宮殿のニューイヤー・コンサートでは、最近人気の古楽団体フライブルガー・バロック・オーケストラとショーンベルグ合唱団が登場します。

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